切望
テレビをつける。
ニュースの時間。
新聞をめくる。
記事を端から端まで読む。
嗚呼怖い。
次の瞬間に彼の首を見るかもしれない。
どんな顔して彼は晒されるんだろう。いつも通り整った顔で?落ち着いた顔で?そんな訳ねぇよな殺されるってのに無念だよなぁお前はただ自分の夢を叶えたかっただけなのにそれはこの国では死罪に値する罪なんだ。
俺はお前みたいに真っ直ぐに生きれなかった逃げてしまったお前から自分から融通利かないと思ってもお前みたいな真っ直ぐなやつ大好きなのに俺は何で真っ直ぐに生きてないんだろう。
あの漆黒の濡れる髪が土にまみれるところなんてあの綺麗な顔が傷だらけになるところなんて白くても血は通っていた頬が真っ青になるところなんて
想像しただけで発狂しそう。
もし彼の首が目の前に晒されたら、俺はどんな顔してそれを見るんだろう。隣に居なかったくせに泣いたりするんだろうか喚いたり悼んだり返してくれって叫んだり
そんなのアイツが見たらきっと呆れられてしまう。
「バカだなぁ、銀時」
って苦手な笑顔で笑うだろう。
人形に人形なんて言わない彼を人形と言うのは彼が人間だと知っているからだ人形のように綺麗で落ち着いていてでも俺は人形だなんて一度も思わなかった柔らかい髪も暖かい体温も人形は持ってない人形は俺の方だ愛してるとか言っといて彼から逃げたなんて冷血甚だしい言い訳は聞かないだって彼の為じゃなく彼の為と言いながら俺の為に逃げたんだ最っ低。
再会した時も彼はひたすら真っ直ぐでああこれは命取りになると俺は直感したでももう離れてた俺に彼を止めることは出来ないしそんな資格もないでも一度きり。一度きりでいいから俺のこと見て下さい。お前の眼は俺なんか突き抜けて遠くを見ているのは知っている、でも俺は国よりお前に生きていて欲しいだけだ。
なんて言いながら手助けすることも守ることもせずに
本当に俺は卑怯だ。
今日も彼の首が無い事を願いながら、祈るようにテレビのスイッチを入れる。