瓜二つ





鉢屋は僕に依存している。

それこそ頭の天辺から足の爪に至るまで。
そうでしょう、キミ、僕の姿を借りずにどうやって学園生活送るの?
誰か違う人の顔を借りるって?
無理だよ、そんなの無理無理。
だって僕ですら自分が二人いるような錯覚を感じる程、キミは僕に似てしまったんだもの。今更僕たち別れられないんだよ。
僕たちは二人で一つなんだ、そう言ったのは鉢屋じゃない。

そんな瓜二つの僕たちなんだけど。

じゃあさ、例えばこれから先、プロの忍になったら怪我することもあるかもしれないよね。もしかしたら五体満足じゃいられなくなるかもしれない。そうなったらさぁ、鉢屋、キミも僕と同じ器官を失ってくれるのかなぁ?

…試してみようか。

左足の小指。
大して要らないでしょ?
実はね、僕、小指なくしちゃったの。うんそう、左足の。この前地雷原で訓練したでしょ。その時怪我したとこ腐っちゃってさぁ。こないだ切り落としたんだよ。
だからさ、鉢屋。
どうする?僕たち今そっくりじゃないよ。そっくりになるにはキミも小指を切り落とさなきゃ。ほら、僕見ててあげるから。ちゃんとすぐ手当てもしてあげる。
だから早く切ってよ。さぁ、早く。
さぁ、さぁ、さぁ。



(お前を暴いてやるよ!)