裏の様で表



「滝夜叉丸、私はお前が嫌いだ。」

叫ぶでもなく呟くでもなく、ただ淡々と静かに告げる三木ヱ門を滝夜叉丸はきょとんと見つめた。

「お前の人を見下した顔も、高慢な目つきも、自慢話か憎まれ口しか出て来ない舌も、偉そうな態度も、戦輪を投げるしか能の無い手も、私のさち子を蹴飛ばす足も、全部全部嫌いだ。大っ嫌いだ。お前なんか頭のてっぺんから足の爪の先まで全部嫌いだ。好きなところなんていくら探しても一つも思い付かない。嫌いなところを挙げればキリが無い。なのに、それらを全部足し算すると何故かお前が好きという結論になるんだ。これは一体どういう事なんだ?頭が良いと自分で吹聴して回るお前なら分かるだろう。答えろ」
「吹聴ではない、事実だ」
「そうやってすぐ他人を否定するところも嫌いだ」
「それはアレだ、可愛さ余って憎さ百倍というヤツだな」
「はぁ?」
「つまり三木ヱ門、」

滝夜叉丸は首を傾げる彼の耳元に口を寄せた。このあと彼がするであろう反応に、胸中でクスリと笑いながら。




(お前は元々私が好きなのさ!)